さぁ、転職準備を始めよう

業界歴20年の現役面接官が「職場選びのコツ」から「面接に受かるポイント」までマルッと解説しています。転職を成功させたい方は、まずコチラの記事をClick!

【保存版】転職ロードマップ
介護職の転職

【特養】そんなに違うの?従来型とユニット型【実体験をもとに解説】

従来型とユニット型の違い

こんにちは、Hiro(@Hiro_kaigostyle)です。
こちらのブログでは、介護職の転職に関する疑問に答えています。

特養で働きたいけど従来型とユニット型、私に向いてる施設はどっちかな?

以上のような悩みに答えています。

この記事で分かること
  • 従来型とユニット型の違い
  • 従来型とユニット型それぞれで働くメリットとデメリット
  • 従来型特養に向いている人
  • ユニット型特養に向いている人

こちらの記事では、実際に従来型とユニット型の特養で働いた経験から、その違いについて解説しています。

従来型とユニット型の違いを知りたい人、違いは分かっているけど勤め先に悩んでいる人など、ぜひ参考にして頂けると嬉しいです。

特別養護老人ホームの「従来型」と「ユニット型」とは?

従来型もユニット型も特別養護老人ホームとしては同じです。
しかし、同じ特養でも施設の目的や環境面で異なる点があるので押さえておきましょう。

かつての特養(従来型)は、長い廊下に4人部屋を主とした居室が配置され、入居者の食事・排泄・入浴の介助を一斉に提供してきました。そこでは入居者の個性や主体性は尊重されず、施設が決めた日課に合わせて生活することを余儀なくされました。少し極端な言い方になりますが、特養に入るとこれまでの自分の生活スタイルは無かった事にされていたのです。

しかし、2000年頃からは「当たり前の生活」「その人らしい暮らし」がより重要視され、平成15年以降はユニット型の特養が推奨されるようになりました。2022年現在、ユニット型特養の数は従来型の約2倍にまで増加しました。

それでは実際に次の項で従来型とユニット型の違いについて具体的に確認してみましょう。

従来型特養とユニット型特養の3つの違い

ここでは、従来型とユニット型の違いについて解説しています。

同じ特養でも施設の目的が異なる

従来型とユニット型では運営の目的が異なります。
『指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準』では次のように書かれています。

指定介護老人福祉施設の基本方針

指定介護老人福祉施設は、施設サービス計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排せつ、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。

参考:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準

従来型特養では「自立支援」が強調されているのが分かります。
一方でユニット型特養はどうでしょう。

ユニット型指定介護老人福祉施設の基本方針

ユニット型指定介護老人福祉施設は、入居者一人一人の意思及び人格を尊重し、施設サービス計画に基づき、その居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。

参考:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準

ユニット型特養では自立ではなく「自律支援」が強調されています。

参考までに、「自立」「自律」の違いを簡単に言うとこんな感じです。

  • 自立…物事を自分一人で行うこと。
  • 自律…物事を自分で決めて行うこと。

てことは!ユニット型特養では「自立」は考えなくて良いってこと?

Hiro
Hiro

いえいえ、それは違います!
そもそも指定介護老人福祉施設は「自立」した生活を支援することが基本なので、従来型であれユニット型であれ「自立」に向けた援助は必要です。

運営基準の第42条にも次のように書かれています。

ユニット型指定介護老人福祉施設の運営基準(第42条)
指定介護福祉施設サービスは、入居者の自立した生活を支援することを基本として、入居者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を常に把握しながら、適切に行われなければならない。

参考:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準

このように書かれています。

つまり、従来型もユニット型も自立に向けた支援は必要だけど、特にユニット型は入居者自身が暮らしを選択できるように支援しないといけないわけです。

居室環境が異なる

従来型とユニット型では居室の環境も大きく異なります。

従来型特養の居室

従来型特養には、長い廊下に4人部屋や2人部屋などの多床室があり、わずかながら個室が備わっているのが特徴です。構造的には病院に近いと言えます。

チェック

ほとんどの居室が相部屋なので、個人のプライバシーが守られにくく、他の入居者の声や物音、排泄の臭いなども伴います。

大勢で一斉に食事できるように広いホール(食堂)が備わっているのも特徴です。

従来型特養では、長い歴史の中で効率を優先した集団処遇の流れがあり、施設の日課(時間割)に沿って入居者の食事・排泄・入浴・レクリエーションなどを一斉に提供するのが主流です。

ユニット型特養の居室

ユニット型特養は、入居者を10名以下のグループに分けたユニットで構成されています。

チェック

入所定員が80名の場合は、1ユニット10室10名の8ユニット。

また、全室が個室ですので入居者のプライバシーが守られやすく、従来型のように他の入居者の声や物音、排泄の臭いといったストレスも軽減されます。また、居室にはソファーや家具を置いて住み良い形に自由にアレンジできるのもユニット型の個室ならではの強みです。

ユニット型特養は、リビングを囲むように個室があるので、居室から一歩出ればそこは皆が集うリビング空間。人の気配を感じながら生活することが出来るので、より家庭的な雰囲気に近い施設と言えます。

参考
【ユニットケアを辞めたい】しんどいと感じる3つの理由を徹底解説!
参考】ユニット型特養の介護職員の仕事内容とは?一日の流れも合わせてご紹介!

職員の配置が異なる

職員の配置の仕方も異なります。

例えば入居者が80名いる施設の場合、従来型特養ですと職員1人が担当する人数は80名です。

ユニット型特養の場合は、1ユニットに固定の職員が配置しているので、1人が担当する入居者の人数もわずか10名と少なく、なじみの関係を築きやすいのが特徴です。

とはいえ、特養の場合は夜勤の配置が入居者20名に対して職員1名ですので、夜勤に関してだけ言えば、他のユニットの入居者への支援も必要になります。

チェック

ユニット型特養でも中にはフロアー制をとっている施設もあるので、ユニット固定制を希望する場合は面談時に確認するようにしましょう。

従来型特養で働くメリットとデメリット

続いて、従来型で働くメリットとデメリットについて解説していきます。

1日のタイムスケジュールが明確

従来型特養は1日の生活を時間で区切っている施設が多く、入居者は施設が決めた日課に合わせて過ごしています。その為、職員はタイムスケジュールに沿って、食事・排泄・入浴などの介助を行います。
この時間に何をすれば良いかが明確なので動きやすいというメリットがある反面、職員主体の動きになりやすいというデメリットもあります。

大勢の入居者と関われる

従来型特養では、大勢の入居者との関わりがある分、多くの知識と技術が習得できるというメリットがあります。ユニット型のように少人数の対応では得られない経験が積めるのは魅力的ですが、1人の方と深く関わっていくという点では難しいと言えます。

従来型の中には、入居者を少人数に区切ってユニットケアを実践している特養もあります。

誰かがそばにいる安心感

従来型では1人で対応する時間帯がなく、必ず側にパートナーがいるという安心感があります。
ですので、入居者の対応で困った時にも相談しやすい職員配置になっています。

夜勤は16時間勤務が基本(仮眠2時間)

ほとんどの従来型特養では16時間夜勤が主流です。

5/205/215/225/235/24
遅出
11:00〜20:00
夜勤
16:00〜翌10:00
明け公休公休

夜勤明けの日が公休に含まれないので、明けを自由な時間に当てることができます。
明けの後に公休を2日続けると3連休のようなものなので、副業も検討しやすいですね。

とは言え、16時間の夜勤は非常に体力を要しますので、出勤前の睡眠と勤務中の仮眠はしっかり取るようにしましょう。

ユニット型特養で働くメリットとデメリット

続いて、ユニット型で働くメリットとデメリットについて解説していきます。

入居者の生活リズムに合わせるケア

ユニット型特養では、入居者の生活リズムに合わせて職員が必要な援助を行います。
人それぞれ食事する時間が違えば排泄のタイミングも異なります。入浴も複数名の職員で対応せず、1対1で関わり、在宅での入浴スタイルを守りながら入って頂きます。

もちろん、限られた人数で対応するのでパーフェクトとはいきませんが、入居者のこだわりを大切にしたケアが行えるのはユニット型特養のメリットです。

一方で、その人らしい生活が送れるように入居者の状態を観察し、自ら考えて行動できる柔軟性も必要です。

参考
【ユニットケアを辞めたい】しんどいと感じる3つの理由を徹底解説!
参考】ユニット型特養の介護職員の仕事内容とは?一日の流れも合わせてご紹介!

少人数だから深い関係性が築ける

ユニット型特養では各ユニットに固定の職員を配置します。
職員が担当する入居者も10名だけですので、入居者と馴染みの関係を築きやすいというメリットがあります。

こう言うと響きは良いですが、決して良い事ばかりではありません。

関係が近すぎることでストレスを抱えてしまう職員もいるのです。

Hiro
Hiro

入居者とはいえもちろん人間。「人対人」ですので相性ってあるんですよね。

チェック

従来型であれば常にパートナーがいるので、もしも苦手な入居者がいても対応を他の職員に任せられますが、ユニット型の場合はそうはいきません。
代わって対応してくれる職員がいないので、1人でその場を乗り切らなければならないのです。

したがって上司は、常に職員と入居者の関係を注意深く観察し、必要があればユニットの配置転換などを検討することも必要です。

夜勤は8時間勤務が基本

ユニット型の場合は、従来型と違い8時間勤務(中には16時間勤務の施設もある)を採用している施設が多いです。

5/205/215/225/235/24
遅出
13:00〜22:00
夜勤
22:00〜翌7:00
公休公休早出
:00〜16:00

従来型の16時間夜勤に比べると拘束時間が短いので体は楽ですが、「夜勤明け」がなく明けの日が公休扱いとなるのがデメリットです。

丸々1日休める日が少ないので、公休を利用して他施設で夜勤の副業!なんて事も難しいですね。

従来型特養とユニット型特養の違い【まとめ】

こちらの記事では、「従来型とユニット型の違い」や「働く上でのメリット・デメリット」について解説してきました。

以下、この記事のまとめです。

この記事のまとめ
  • 特養で働くなら「自立」と「自律」の違いを押さえておこう!
  • 施設が決めた日課に合わせて働きながら、幅広い知識・技術を学びたい方は従来型!
  • 入居者に寄り添って深い関係性を築きたい方はユニット型!
  • 夜勤専従など他施設で副業を検討するなら「夜勤明け」の有無をチェック!

私はユニット型・・・かな

私は従来型かしら・・・

こちらの記事も合わせてご覧くださいね。

>介護施設への転職成功ロードマップ!失敗しないノウハウをチェック!